第2回『このラノ』大賞 受賞作品詳細

第2回『このラノ』大賞 / 優秀賞

『ドS魔女の×××』藍上 ゆう(あいうえ・ゆう)

『ドS魔女の×××』
作者プロフィール
音楽好きな埼玉県人。執筆中には歌が欠かせない存在となっている。夢中になりすぎて、原稿に集中できないのが難点。筆よりもマイクを握る方が好きなのは秘密。願いが叶うなら、透き通るような歌声がほしい。あと、正確な音感も。ないものねだりをしても仕方ないので、速弾きとツーバスをカンフル剤に今日も筆を走らせます。

あらすじ

わたし、灰咲クレアは魔界に住む魔女(いまのところはまだ人間よ)。ある日、同居人(サキュバス)から、どんな願いも叶えられる魔法の存在を聞いたの。でも、発動方法は「千人の処女を発情させる」ことなんだって。その条件を満たした空百合学園に潜入したのはいいのだけど……。テクニシャンなわたしには簡単なはずなのに、どうしてこんな大騒動になっちゃうのよ! ちょっとあなたたち、ドSのクレアちゃんを困らせるなんてどういうつもり? まとめてお仕置きしてあげるわ!

受賞コメント

はじめまして、藍上ゆうと申します。このたびは「優秀賞」をいただき、心から感謝しています。その名に恥じぬよう、これから努力を積み重ねていきたいです。
 しかし、本当にいいのでしょうか? 作中の七割が全裸or穿いてない作品が受賞してしまって(ちなみに登場人物は女の子しかいません!)。選考員の方々が困惑しながら審査をした姿が目に浮かびます。そういう意味で問題作を送ってしまって申し訳ありません。まさか三次選考に残るとは思ってもいませんでした。
 書いている本人は、意外と恥ずかしがっています。読み返すたびに、叫びたい思いです。できれば多くの人に触れることなく、ひっそりと読まれることを望みます。こんな不健全な作品が世に出るとは、真にけしからん事態です。良い子は見ないで下さい。評価して下さったアダルトな方々、本当にありがとうございます。一体ナニが良かったのでしょうか?
 拙い作品ですけど、もっと楽しいものにしていきたいです。これからよろしくお願いします。

最終選考委員選評

勝木弘喜(ライトノベル・フェスティバル初代実行委員長)
極楽トンボ(評論家、HP「まいじゃー推進委員会!」管理人)
タニグチリウイチ(書評家)
工藤淳(「まんが王八王子店」小説担当)
川崎拓己(「コミックとらのあな千葉店」店長)
特別選考委員栗山千明さん選評はこちら


勝木弘喜(ライトノベル・フェスティバル初代実行委員長)

 とにかくエロい。頭から尻尾までエロい。エロの一点突破。ここまで分かりやすくエロかったらなんというか納得させられます。何に納得かよくわかりませんがとにかく納得。投稿作のなかには無意味にサービスシーンを入れ雰囲気を崩し、紙面を無駄にする作品がありますが、本作の突き抜けたエロシーンには脱帽。それでいて女の子たちに性的な知識が欠如していて頓珍漢な行動をとっていたり笑わせられました。小説の選評としては問題ありかもしれませんが、イラストが付けられる日が待ち遠しいと言わざるを得ないでしょう。

極楽トンボ(評論家、HP「まいじゃー推進委員会!」管理人)

 完全にエロでの一点突破を図った作品。エロ系の要であるといえるエロ描写に関しては、バリエーションもあり煩悩を大いに刺激されるうまさがある。また、設定上絡みが女同士に限定されるのと、エッチではあっても適度に抑制が効いているため、ジュヴナイルポルノとの差別化は図れていると思う。イラストがつくのが非常に楽しみである。ラストの展開は読者の意表をつくし、丸くおさめるにはベストの選択だったと思う。同じような展開が続くのが気になったので、改稿でのその修正に期待。

タニグチリウイチ(書評家)

 ああエロい。とにかくエロい。とってもエロい。全編これエロの物語。だったら別にここじゃなくても、そいういうレーベルで出せば、もっと激しいエロが読めるかもしれないけれど、直接的な描写が多いからといって、興奮が大きくなるとは限らない。ソフトで寸止めの描写の中にこそ、無限の想像を誘い、興奮をもたらす要素があるのだ。ドSだと自分をアピールする割には、誰かを虐めるよりむしろ、引っ張り回され悲惨な目に合う主人公の愛らしさにも惹かれます。

工藤淳(「まんが王八王子店」小説担当)

 ライトノベルからはみ出して、ジャンルが『ちょっとHなライトノベル』になってしまいそうな作品。この作品をこうしたらよくなるとか言いはじめると、確実ジャンルがずれる、なかなか微妙なバランスです。内容的にはゾンビ系パニックものの物語展開と、ちょいエロの組み合わせが面白い。ゾンビものでエロというと、グロいエロ系というイメージになりそうだが、こう言うのもありかとちょっと関心。物語では『どうやって発情させる?』だけでなく『ホントに処女か?』という要素まで使えばより面白くなったのではと思います。

川崎拓己(「コミックとらのあな千葉店」店長)

 男子諸君、お待たせしました! エロ度100%で構成されている作品となっており、男性を中心に非常に楽しめるものになっていました。内容は、某ゾンビゲームが淫乱女子校生に変わっているという内容になっており、シナリオ等の重みはありませんでしたが、深く考える事も必要なくテンポ良く読む事が出来る、フェチの極みにある1タイトルとなっていました。