第2回『このラノ』大賞 3次選考通過作品詳細

2次選考を通過した23作品の中から3次選考を通過した5作品が決定しました。
(掲載は五十音順)



『撃ち抜けないのは天使と破片』 深沢仁 →2次選考評価コメント


『ウーマナイズ・ジェネレーター』 谷春慶 →2次選考評価コメント


『恋色ゴースト』 喜多南 →2次選考評価コメント


『ドS魔女の×××』 藍上ゆう →2次選考評価コメント


『B級少女』 遠藤浅蜊 →2次選考評価コメント

3次選考総評

昨年度からスタートした『このライトノベルがすごい!』大賞は、おかげさまで第2回を迎えることが出来ました。今回もたくさんのご応募ありがとうございました。昨年の第1回大賞を踏まえて、ライトノベルの新人賞として広く認知していただいたこともあり、全体としてクオリティーの高い作品が増えた印象で、今年も選考は非常に難航しました。
 深沢仁さんの『撃ち抜けないのは天使と破片』はセンスを感じさせるスタイリッシュな世界観が魅力的でした。すべてを過不足なく伝える高い文章力と構成力には感心しました。
 谷春慶さんの『ウーマナイズ・ジェネレーター』は主人公・砕月のキャラクターが魅力的。軽いテンポで読ませがら、展開に意外性があり、読者を最後まで飽きさせません。
 喜多南さんの『恋色ゴースト』は主人公・クロとヒロイン・紫音の会話を中心に展開される物語で、日常と異世界をうまく融合させながら、みずみずしい青春小説として描き切った点を評価しました。
 藍上ゆうさんの『ドS魔女の×××』はなんといっても、突き抜けたエロさが目を引く作品ですが、さらに、それをコミカルな作風に仕上げた、作者のアイデアの豊富さが高評価でした。
 遠藤浅蜊さんの『B級少女』は「美少女」という種族を作り上げた設定のおもしろさと、作中で展開される「美少女」たちのギャップのある混沌とした日常がクセになる作品でした。
 最終選考にはジャンル、作風ともバラエティーに富んだ上記5作品が残りましたが、いずれもキャッチーかつ、他には無い抜きん出たポイントを持った作品が選出される結果となりました。
 次に、3次選考通過にもう一歩だった作品を以下に挙げます。
 清水タキさんの『美しき豹と、黄河の花嫁』は文章力、構成力のいずれもが高く、また、作品世界を支える時代考証も緻密で、高評価を獲得した作品です。非常に惜しいのはライトノベルらしさという部分が薄かった点で、作品の完成度では2次選考通過作品の中でもトップクラスの出来でした。
 草薙アキさんの『おまけの乳武尊』は、これでもかというほどの「おっぱい」への情熱と、それを大きな物語に発展させた発想力に感心しました。説明不足の点や、設定を盛り込みすぎたことで、作品の印象がやや曖昧になってしまったことが残念でした。
 白木知佳さんの『サンタが街にやってくる』は青春小説として非常によく出来た作品でしたが、あと一歩この作品ならではの要素を盛り込めると抜きん出た作品になるはずです。
 中島英人さんの『魔甲炎機 ファルセゴ』は主人公・ベリスのキャラクターが非常に魅力的な作品でした。世界観、設定がやや難解で、読み手が作中の状況をイメージしづらかった点が残念でした。
 天沢ノエルさんの『森と竜と炎の物語』は世界観の構築と丁寧な筆致に好感がもてました。読者が感情移入しやすいキャラクターを設定することが出来れば、より魅力的な作品になるはずです。何よりも、今後の成長が非常に楽しみな存在です。
 今回は残念な結果となった方も、是非また次回にご応募ください! 『このライトノベルがすごい!』大賞では、皆様からの力作をひきつづきお待ちしております!